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電気自動車の現在 2024年 前半

EVの現状 2024 前半

EV補助金、最大73万円の差 充電器・製造時CO2減を考慮(2024年3月19日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA193R90Z10C24A3000000/

ニュースソースは2024年度の補助額の公表ですが、2024に入りご存じの通りEVムーブメントはいったん終わりを迎え、HV復権といった様相の現在です。
最初にEVを購入した方々が次もEVに乗り換えるのかがポイントと思われます。

だいたい初回車検が3年後、次期車検は2年後ということで、お金に余裕がある人は5年くらいで売却し、新しい車に乗り換えるパターンはあることはあります。
「乗りつぶす」という人もせいぜい10年くらいでしょう。(1年1万キロ走行)

電気自動車のリセールは「当然」と言っていいほど悪く、テスラをはじめ値下げもありさらに価格が下がっているそうです。
しかも、スマホとほぼ同じ電池ですからなおさら中古車が安くなっても2~3年で、あっという間に充電がなくなってしまうという現象になりそうで怖くて乗りたくないですね。

輸入車は買った瞬間に数10%下がると言われていますが、テスラやホンダeなんかも20%くらいは下がるのではないでしょうか。
少し先の未来を占う株価も電気自動車関連は芳しくなく、テスラのモデル2も2025年からと逆風が吹き荒れています。

ESG投資、グリーン投資なども、ふたを開けてみると利益が出せていない、事業継続性がなさそうな物も淘汰されはじめるフェーズとも思いますので、世の中UP-DOWNはあるものですね。

電池の進展はあるのか

一方、電気自動車が完全に消えるという事はないと思われます。燃料電池、水素も中身は電気自動車のようなものですしね。
ハイブリッドはどうしてもパーツ点数が多く、重量も増します。「なんちゃってハイブリッド」じゃ、微妙ですし。

今後のEVについてよく言われているのはバッテリーの性能向上、技術革新ですね。
そこで、少し調べてみました。

LFP電池(リン酸鉄リチウムイオンバッテリー)

https://www.nikkei.com/compass/theme/20784
電極にコバルトやニッケルといったレアメタルを使わないバッテリーですね。

IEAによると、2022年のLFP電池のEV向けバッテリーの市場シェアは30%弱を占める。

発火しやすいコバルトに比べ安全性が高い
寿命が比較的長い
原料は安い

とメリットがありますが、かさばる、容量が大きくなるため、まぁまぁ安くできるくらいだそうです。

LFPバッテリー搭載のテスラ『モデル3』がOTAアップデートで充電スピードを大幅に改善(2021年2月)
https://blog.evsmart.net/tesla/model-3/model-3-sr-with-lfp-batteries-got-170kw-charging-speed/

2020年の11月、欧州の顧客にギガ上海で生産されたモデル3 SR+の第一陣が初めてデリバリーされました。

テスラのEVトラック「セミ」にも採用(2023年4月)
https://jp.reuters.com/article/idUSKBN2W403D/

テスラ、米国でLFP生産の布石か(2024年2月2日)
https://www.nikkei.com/prime/mobility/article/DGXZQOUC014MA0R00C24A2000000

中国のCATLやBYDを中心に普及しだしています。(これに合わせてバッテリーシェアも当然中国が1位)
インドは微妙という事で、今後は政治的軋轢が大きくなると思われますが、量産化工業国はまだまだ中国です。

LTO電池(チタン酸リチウム二次電池)

https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/battery/scib/about.html

負極にチタン酸リチウムを使用した物。(すでに三菱アイミーヴに搭載。早すぎたのか2021年に生産終了)
安全性・長寿命・低温性能・高入出力・急速充電・無駄のない充電状態といいとこどりですがエネルギー密度が低いとのこと。

次代ではニオブチタン系酸化物を負極材料に変更した物もあるそう。

全個体電池(ソリッドステートバッテリー)

次に言われているのがだいたい全個体電池ですね。

https://www.sbbit.jp/article/cont1/37046

技術的解説は他におまかせし、

パナソニックHDが全固体電池、3分で充電可能
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/08462/

3分で充電はかなりいいですね。

トヨタの全固体電池具体化が契機、“眠れる獅子”中国が覚醒か(2024年2月)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02767/022800001/

中国勢は半固体電池を選択

半個体電池という物もあるそうですね。

コストは相変わらず高く、やはり先行してでてきそうなのは2025年以降でしょうか。(トヨタの物は2027年~28年だそうです)

他にもバッテリーの消費量を管理最適化

なども言われていますが、重量や充電時間は変わらないのであまり関心をひかないですね・・・

結局、あまり深堀なネタはありませんでしたね。
電池以外をとっても身の回りで急速に発展した電池とか、LED電球でも家電でもいいですが、さらに食品でもそんなに見ないです。
スマホも停滞気味です。

職種によってはAIは使えますが。(プログラマーなどは今やなくてはならないでしょう)

廃棄はどうするのか

2023.09.28
欧州電池規則が転換点に
 「大きな転換点を迎えた」。車載電池大手AESCグループ(神奈川県座間市)の副社長で最高技術責任者(CTO)の明石寛之氏がこう受け止めたのは、欧州連合(EU)が2023年8月17日に発行した「電池規則(Regulation(EU)2023/1542)」だ。電池の性能や材料、二酸化炭素(CO2)排出量など製造過程の情報を記録する「電池パスポート」の導入や、ライフサイクル全体のCO2排出量であるカーボンフットプリント(CFP)の算出、廃電池の再資源化、リサイクル材の採用などに対応する必要がある。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02572/092600003/

これも良く言われていますが、リセールが悪く中古車も売れない、補助金も終わりとなると捨てられてるのが中国でも発生していますね。
基本的にパーツを取って焼却処分ですので、地球には悪いでしょう。

上記のように再資源化の動きはあってもビジネスとしてはあまりうまみがなく、今のところこれといった打開策は見つからず、なかなかうまくいきませんね。

ユーロ7

EU、次期排ガス規制案「Euro 7」に政治合意、内容は欧州委案から後退
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/12/2b2f9958574420b4.html

欧州委はユーロ7でさらなる規制強化を目指したが、自動車業界や一部のEU加盟国などの反発があり、現行の乗用車・バンの排出基準や試験方法が維持されるなど、内容は欧州委案から後退した。環境団体からは不満の声が上がり、自動車関連団体でも反応に温度差があった。

排ガスや燃えカスだけでなく、タイヤの粉塵やマイクロプラスチックを抑えたり、新たに亜酸化窒素(N2O)などを規制対象に含めたユーロ7も見送りとのこと。
確かにこの世界的インフレの中、電池だけでなくあらゆるものを高コストにしたら売れなくなって会社も立ちいかなくなるでしょうね。

世界的に「揺り戻し」のある現在ですが、環境は良くしようという認識は貧乏人でもお金持ちでも共通認識としてあるとは思います。
急進的には軋轢を生みますが、少しづつ「納得感」のある感じに集約していってほしいところですね。

(私は家族車はあってもとっくに車を所有していないのですが。)

おまけ

EV分解レポート
https://www.marklines.com/ja/teardown/

モデルY
https://www.marklines.com/ja/teardown/kobelcokaken-tesla-model_y

もちろん有料ですが、分解レポート見てみたいですね。
1台あたりのコストっていったいいくらくらいなんでしょうか。

Munro Teardown Shows Tesla Model 3 Solidly Profitable
https://www.youtube.com/watch?v=pAS-yjWj9DY

Youtubeにはありましたが・・・

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